奈良美智なら よしとも

奈良　美智（なら　よしとも、1959（昭和34）年12月5日-）は、昭和から平成時代に活躍する日本の画家・彫刻家である。

1956年に青森県弘前市で生まれる。幼少期は弘前市で育つ。青森県立弘前高等学校卒業の1979年に武蔵野美術大学に入学するが1年で同校を中退。1981年に愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻に入学。1985年に卒業する。その後同校の大学院へ進学。1987年修士課程を修了した。作品は、無垢な無邪気さの中に孤独で悪魔的な部分を持ち合わせている人物や動物を独特に描いた。

1988年から1993年まではドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍。A.R.ペンクに師事した。作品は象徴的な要素の背景が次第に消え、デフォルメされた人物や架空の生き物を画面の中心にくっきりと捉える。また、簡略化された形態及び色彩は、童話のような物語性を漂わせる。このような作品は90年代半ば以降に、新たな具象絵画の旗手として国内のみならず、国際的に注目を集めた。

また、1994年から2000年まではケルン近郊にアトリエを設け、作品の制作に励んだ。この間の1998年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校の非常勤客員教授を3か月間務める。同時期に村上隆も非常勤客員教授を務める。日本でも活躍を見せ、1995年には名古屋市芸術奨励賞を受賞した。

その後2000年に帰国。翌年には日本で大規模な個展を各地の美術館を巡り開催した。2006年度は武蔵野美術大学客員教授を務め、後進の指導にも励んだ。その後も活躍を見せ、2010年にニューヨーク国際センター賞を受賞。アジア人としては2人目の快挙であった。2013年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。現在は各地で個展を開催し、活躍を見せている。

年表
1959（昭和34）年　青森県で生まれる
1979（昭和54）年　武蔵野美術大学造形学部実技専修科　入学
1981（昭和56）年　武蔵野美術大学造形学部実技専修科　中退
　　　　　　　　 　愛知県立芸術大学絵画科油画専攻　入学
1985（昭和60）年　愛知県立芸術大学絵画科油画専攻　卒業
　　　　　 　　　　愛知県立芸術大学大学院　入学
1987（昭和62）年　愛知県立芸術大学大学院　修士課程修了
1988（昭和63）年　ドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミー　在籍
1993（平成５）年　マイスターシュウラー　取得
1994（平成６）年　ケルン近郊にアトリエを設ける
1995（平成７）年　名古屋市芸術奨励賞　受賞
1998（平成10）年　カリフォルニア大学ロサンゼルス校　非常勤客員教授
2000（平成12）年　帰国
2001（平成13）年　大規模な個展を開催
2010（平成22）年　ニューヨーク国際センター賞　受賞
2013（平成25）年　芸術選奨文部科学大臣賞　受賞