[1] 実家じまいとは
不要になり実家を手放すケースが増えている
親が住んでいた実家を処分することを「家じまい」と呼びます。核家族化の進展で親世帯が単独で住んでいるケースが増え、親の他界や介護施設への入居、より住みやすい環境を求めての駅近くのマンションへの転居、あるいは子世帯との同居などをきっかけに実家の処分が必要になるケースが増えています。
これからも増え続ける家じまい
2023年の「住宅・土地統計」では、空き家総数は約900万戸となり空き家率は13.8%でいずれも過去最高となりました。地方では空き家率が20%を超えている県もあります。空き家はその多くが実家じまいの対象となる存在ですが、今後も増え続けると見られています。誰も住んでいなくても所有者には固定資産税などの税負担が続き、電気やガス、水道の基本料金もかかります。相続時には相続財産として課税対象になり、漫然と放っておくことはできません。
大量の不用品の処分や遺品買取などの検討が必要に
実家じまいの一般的な方法は、残っている家財道具などをすべて処分し、建物を解体して更地にして売却するものです。中を空にして古家付きで売却するという方法もあります。いずれにしても荷物はすべて処分しなければなりません。親世帯が他界している場合は遺品整理ということになりますが、いずれにしても多くの品物を、不要品として廃棄したり、リサイクルに回したり、価値のあるものは専門業者に買い取ってもらうなど、それぞれの状態に応じて処分することが必要になります。
[2] 実家整理の進め方と注意点
始めて見ると想像以上に多い荷物
実家に残されている品物は、見た目以上に多いものです。兄弟で日程を調整し、なるべく大人数が集まれる機会を設定しましょう。最終的には家を空にしなければなりません。廃棄するもの、リサイクル業者に託すもの、兄弟間などで分けるもの、骨董品や美術品など買い取り業者に出すものなど、仕分けをすることが必要になります。品物をすべて取り出し仕分けをするだけでも1日以上かかる作業になります。
余裕を持って事前の準備を
仕分けの際に気をつけなければならないのは、まだ使えるものや、売却して現金化できるものをうっかり廃棄してしまうことです。実家じまいでは「いつまでに空にして明け渡さなければならない」と期限が切られることも多く、ゆとりがなくなると「とにかく全部持っていってもらう」ということになりかねません。まず仕分けだけをする、後日業者を呼んで渡す、というように2段階にするなど、余裕を持った日程を組みましょう。時間を取ってゆっくり仕分けをすることが、後で後悔しない実家整理のコツです。
遺品整理はなるべく家族揃って行う
時間に余裕を見て品物を丁寧に分けることは、実家整理後の家族間のトラブル回避のためにも有効です。「あれ捨てちゃったの?」「確かお父さんの大切にしていた陶器があったはず」……など、処分を終えた後から兄弟間に不満が残ったり、高価なものではトラブルに発展することがないとはいえません。要るか要らないか、現金化するかどうするか、時間をかけて相談する機会を持つことが回避策になります。
[3] 遺品買取を活用するメリット
価値のあるものを適正価格で売る
親世帯が遺したものは大切な思い出の品物であることも少なくありません。愛用していた時計や万年筆、宝石などは形見分けをして、受け継いでいくことになります。しかし、自分とは好みが大きく違っているものや使う見込みのないものなどは手元に残しても結局死蔵するだけで、ものの価値が生きないばかりか、次の世代にも処分を「宿題」として残すことになってしまいます。思い切って専門店の買取で現金化し、品物はそれを愛好する人に引き継いだほうが、その価値を生かすことにもになります。
骨董品や美術品などは専門店に買取を相談
遺品の中に骨董品や美術品、古銭、勲章、時計、カメラなどがあれば、たとえ自分の趣味には合わなくても、愛好家の間では価値の高いものかもしれません。また、古くて汚れなどがあっても、希少価値の高いものであれば、高額で取り引きされる可能性もあります。「どうせたいしたものではない」と決めつけずに専門家に見てもらえば悔いを残すことがありません。
整理費用の軽減につながる
もし予想外に高価なものがあれば、整理費用の足しにすることができます。1軒の住まいをがらんどうにして清掃まで終えるのは思った以上に手間がかかります。片付け業者に支払う料金も決して安くはなく、家の大きさや処分する荷物の量にもよりますが、一般的な2階建ての家であれば数十万円の費用になります。遺品の買取で不要なものが少しでも現金化できれば、片付け費用の一部に充当することができます。
[4] 骨董品・美術品の買取ポイント
リユースショップや片付け業者への一括依頼は後悔の元
売りたい骨董品や美術品があれば、買取店に査定をしてもらうことになります。この時気をつけることは、骨董品や美術品の買取を専門としていない業者に依頼してしまうことです。片付けを主として、買取も行うというスタイルで事業をしている会社の多くがそれに当たります。査定をする専門的な知識が薄く、経験も実績も少ないので価値あるものを見過ごしたり、低く抑えた買い取り価格しか示されないということが起こります。
骨董品・美術品の買取専門店に見てもらう
買取を求める品物の適正な査定を求めるなら、その価値をきちんと評価できる骨董品や美術品の買取専門店に声を掛けることが必要です。こうした専門店には専門知識や経験の豊富な目利きが存在します。美術倶楽部などの格式ある市場で売買を重ねているプロなので、査定の目は確かなものがあります。
信頼できる業者は実績でわかる
買取の実績をチェックすれば信頼の置ける業者かどうかが分かります。ホームページに買取実績が掲載されていますから、それを見ます。こうしたページは売却した人も同業者も見ているので、いい加減な情報ではありません。ここで高額のもの、多様なものを扱っていることが分かれば、その買取店は信頼できると考えて良いでしょう。
なかには利益目当ての業者もいるので要注意
逆にどんなものでも買い取りますと謳いながら、実績を見せない買取業者には警戒が必要です。自社の利益を最優先にして、価値がありそうだと思ってもできるだけ低い価格で買い取ろうとする業者も存在します。出張査定を謳っていても写真だけ撮って帰り、査定価格は後日という業者も要注意です。その場で査定価格が示せないということは目利きがいないということであり、安心して任せることはできません。
[5] 実家じまいをスムーズに進めるために
毎年50万点以上の買取を行う古美術永澤
実家じまいをスムーズに進めるためには、片付ける品物をある程度の時間をかけて計画的に仕分けをして、価値のありそうな品は目利きのいる買取専門店に査定を求めることです。骨董品・美術品の買取専門店として30年以上の歴史を持つ古美術永澤は掛け軸や絵画、陶器をはじめ、幅広いジャンルの品の査定を受け付けており、高額良品の買取実績も豊富に持っています。無料の出張査定もおこなっているので、気軽に依頼することもできます。
無料出張査定の利用が便利
まず電話で出張査定のスケジュールを決めます。その前にLINEなどで見てもらいたい品物の写真をあらかじめ送って簡易査定を依頼すれば、安心して当日に供えることができます。出張査定であれば査定士の来訪の機会を活用して、さまざまな品を見てもらうこともできます。古美術永澤はその場での現金買取を原則にしているので、査定額に納得できれば一度で買取が完了します。
<古美術永澤の遺品買取を利用したお客様の声>
実家に住んでいた父と母が相次いで他界し、心の準備ができていない状態で実家じまいと遺品整理をしなければならなくなりました。二人とも美術品が好きで母は長年お茶の稽古もしていたので、実家には多くの掛け軸や日本画、茶道具などがありました。兄から古美術永澤さんの話を聞き、早速出張査定をお願いしました。掛け軸をはじめ遺品を一点一点丁寧に説明もしてくださりながら査定していただきました。私たちが想像していたよりずっと高い金額になり、専門家に見ていただいて本当に良かったと思っています。(東京都 60代)
担当
骨董買取コラム編集室
骨董目利き修行者
将来、古美術商になるため古美術永澤で修行中。愛読書は廣田不孤斎の歩いた道。