東京で掛け軸を高く売るなら?地元密着の買取店を選ぶべき理由

掛け軸買取 2025.06.04

[1] 大都市圏での掛け軸買取の実状

床の間の装飾に欠かせない掛け軸は日本で最も数の多い絵画だと言われます。その理由は、掛け軸が美術品として鑑賞するためだけでなく、来客をもてなす和室の床の間に欠かせない装飾品であり調度品でもあったからです。

床の間があれば必ず掛け軸が必要であり、それも季節や節句、訪ねてくる人の趣味や嗜好に合わせて掛け替えるものであったことから、1軒に数軸が用意されているのが当たり前でした。和室のない家も珍しくない現代の住宅事情からは想像しにくいのですが、戦後間もなくから1970年代の終わりまで一貫して右肩上がりで建築が続いた新築の一戸建て住宅には床の間のついた客間がほぼ必ず用意されていました。当然、掛け軸の用意も必要になったのです。もちろん、すべての家に高名な作家の書や絵画を表装した掛け軸があったわけではありません。模写や贋作を含め一般的な普及品も少なくありませんでしたが、大きく裾野を広げた掛け軸の市場があったことは間違いありません。今もその多くが、実家の押入や納戸の奥で眠っています。

しかし、数が多いということは、骨董品としての掛け軸の査定や流通を難しくする大きな理由になっています。なぜなら、調度品扱いをされることも多かった掛け軸は玉石混淆で、当然ながら“石”のほうがずっと多いからです。もともと骨董品や美術品は「定価」のない世界ですが、特に掛け軸は価値のあるものをしっかりと見極める目が求められます。

空き家の数が約90万戸と日本一多く、そのため遺品整理件数も多い東京都は、多くの掛け軸が骨董品市場に出てきます。さまざまな骨董市はもちろん、専門業者を対象としたオークションも頻繁に開催されていることから、掛け軸の目利きが多く集まっている場所でもあります。掛け軸の買取を依頼するなら、マーケットが大きく多くの愛好家や目利きが存在する東京に足場を置き、東京を中心にしながら全国展開しているような買取専門店の鑑定や査定を受けることが、価値を正確に見極めてもらえる可能性が高くなります。

[2] 全国チェーン(FC展開)と地域密着型の違い

一度製品として販売されたものを再び利用するリユース市場は、今拡大する一方です。無駄を控え、安価で快適に使えるものであれば中古品でも構わないという消費者の意識は、地球環境に配慮した持続可能な社会を目指すという世界の大きな流れを背景に、大きく拡大しています。市場規模も年々拡大、リユース経済新聞の推計によれば2022年には約2.9兆円に達しており、2025年には3.25兆円規模に拡大、さらに2030年には4兆円規模に達すると見込まれています。

それに伴って買取・再販を行う事業者の数も大きく増えました。全国にチェーン店を展開するフランチャイズ方式(FC)で一気に事業を拡大する事業者も登場しています。買取の対象とする品物の範囲が広く、中には骨董品や貴金属、ブランド品に特化したチェーン店もあります。

しかし、骨董品買取も行うFC店は、本部がつくったマニュアルに基づいて買取をすることになっているため、評価するポイントがあらかじめ決められ、評価方法も簡易で一律のものになっています。骨董品に対する知識や取り扱い経験がなくても、誰でも査定できるようなシステムをつくることで、異業者からも参入しやすくして自社のフランチャイズ店の拡大を目指しているからです。

手早く査定してもらい、少額でも現金化できれば良いと考えている人には、こうしたFC店が近所にあれば便利かもしれません。しかし、鑑定・査定の質は決して高いとは言えず、価値あるものが見過ごされてしまう心配があります。特に掛け軸は数も多く、そこに表装されているのは水墨画や日本画、書などさまざまで、表装のレベルや状態、収められている共箱なども大切な鑑定・査定のポイントです。鑑定がマニュアル通りの表面的なものであれば、その価値が十分に評価されない可能性が高くなります。

[3] LINE査定や出張査定を有効に活かす

東京で掛け軸の買取を依頼するなら、全国チェーンの買取店ではなく、地元東京で少なくとも30年以上、地域密着で買取を行っている店がお奨めです。東京は流通規模が大きく、掛け軸販売に特化した店や個人のコレクターも多く、良いものがあったら欲しいと考えている専門店や愛好家も少なくありません。そういう場所で長年買取を行っている専門店は、掛け軸の目利きであることはもちろん、買い手がどこにいるか、どういうものが求められているかを熟知しているので、高い査定額を付けることができます。

また、インターネットを使ったオンライン査定などは全国チェーンの買取店だけが展開しているシステムと思われがちですが、最近では、こうした地域密着の店でも積極的に取り入れています。歴史のある骨董店は敷居が高いという印象を持つ人も少なくありません。しかし、こうしたオンライン査定を利用すれば気軽に査定依頼ができます。まずはLINEなどで撮影画像を送って簡易査定をしてもらい、その応対を通して感じが良い、信頼できると感じたら出張査定の依頼に安心にて進むことができます。定価のない骨董品買取の世界は信頼関係が非常に重要です。「本当は価値の高いものを安く買いたたこうとしているのではないか」といった不信感がもし生まれてしまえば、買取は決して満足のいく結果になりません。

[4] 地元業者の強みと買取事例

東京都下、府中市のある実家の遺品整理でのことです。築100年を超えている家で、もちろんこれまで二度ほどリフォームをしたそうですが、後を受け継ぐ人もなく、いよいよ本家を閉じることにしたので一度骨董品関連のものを見に来てほしいという連絡を受けたのが古美術永澤でした。早速出かけると、門を入って母屋の正面玄関に辿り着くまでに長いアプローチがある昔ながらのお屋敷で、そのアプロ―チの途中を母屋と反対側に進むと独立した蔵がありました。この蔵の中にある骨董品をすべてみてほしいというのが依頼内容です。

現在のご主人の先代は昭和の初めの生まれ、先々代は明治の半ばの生まれで、代々受け継がれてきたさまざまな書画や骨董品、茶道具などがあり、掛け軸も数十軸がありました。残念ながら保管状態があまり良くなく、巻かれているだけにシミやカビが目立ちほとんど価格がつかない状態でしたが、その中に1点、桐の共箱に収められ、明らか他の掛け軸とは扱いの違うものがありました。中を確かめると、なんと京都画壇の重鎮、山元春挙の風景画が表装されていたのです。春挙は滋賀県に生まれ明治から昭和時代前期にかけて活躍した日本画家です。スケールの大きい風景画は春挙ならではのもので、落款も箱書きも確かです。こんなふうに突然、名作と対面する瞬間があり、これこそ骨董品買取の醍醐味だと目利きは語ります。おそらく先々代が晩年に入手されたのでしょう。当時でも大変高額であったにちがいありません。しまわれていた時間が長いので相応の傷みやシミもありましたが、この1点だけで数十万円の買取となりました。

 

掛け軸は骨董品の中でも鑑定・査定の難しいものですが、膨大な数が流通してきたために、今も名品が眠っている可能性の高いジャンルです。最も動きの活発な市場のある東京で、地域密着の買取店を見つけることが買取を成功させるポイントです。

古美術永澤は、骨董品の中でも掛け軸の査定には最も自信を持っています。遺品整理や実家整理などで気になる掛け軸が出てきたら、まずはお気軽にLINE査定をご利用ください。

 

掛け軸買取はこちら >

LINE査定はこちら >

担当

骨董品買取コラム編集室

骨董目利き修行者

将来、古美術商になるため古美術永澤で修行中。愛読書は廣田不孤斎の歩いた道。