呉琴木ごきんもく

呉琴木 (ごきんもく,1894-1953年) は江蘇省出身。名は桐生、後に桐に改名。字は琴木、琴材、桐木。号は冷楓居士、号は蒼梧生、室名は志隠草堂。

幼いころから絵を愛し、故郷で教師となる。
後に画家、鑑定家の道に進み、世界的に著名な中国書画のコレクター龐元済の援助を受け、膨大な収蔵品の管理や古画の修復に携わる。江南屈指の収蔵品に触れることで、呉琴木の才能は更に開花し、制作活動に大きな影響をあたえた。以後、画家として自立し晩年は上海で活動する。張乃燕などと交流があった。

琴木は中国20世紀画壇において伝統的な画家で、山水、花鳥、人物画などに優れ、古代の元四家、趙孟頫などの技法を吸収し、独自のスタイルを創造した。その表現は古代の文人芸術を深く理解し、真摯に向き合いながらも、精純で変化に富んだんだものへと昇華させた。芸術思想の傾向は同時代の呉湖帆、張大千、張石園と近く、その能力の高さを感じる。上海で没。