長崎県の骨董品買取は
古美術永澤

長崎は、鎖国時代において日本で唯一、西欧との交易が許された出島を有し、また中国との貿易も盛んに行われた国際都市でした。この特殊な歴史的背景は、「和（日本）・華（中国）・蘭（オランダ、広くは西洋）」の文化が融合した独自の「和華蘭文化」を生み出し、長崎の骨董品・古美術に他に類を見ない多様性と魅力をもたらしています。

出島貿易と舶来美術品

出島を通じて、オランダ東インド会社によりヨーロッパの陶磁器（デルフト焼など）、ガラス製品（ギヤマン）、時計、科学機器、洋書、版画などがもたらされました。また、中国からは景徳鎮などの陶磁器、絹織物、書画、工芸品が輸入されました。これらの舶来品は、当時の日本の大名や富裕な町人たちの間で珍重され、コレクションされました。長崎の旧家には、こうした貴重な舶来品が今も眠っている可能性があります。

長崎漆器（長崎螺鈿）と輸出工芸

長崎では、中国やヨーロッパの意匠を取り入れた独自の漆器「長崎漆器」が作られました。特に、貝殻を細かく切って文様にはめ込む螺鈿（らでん）の技術は巧みで、豪華なキャビネットや箱物などがヨーロッパへ輸出されました。これらは「南蛮漆器」とも呼ばれ、美術的価値が高い工芸品です。

肥前陶磁（三川内焼・波佐見焼・古伊万里）

長崎県は、佐賀県とともに肥前陶磁の一大産地です。

三川内焼（みかわちやき）／平戸焼（ひらどやき）： 佐世保市三川内町で焼かれる磁器。平戸藩の御用窯として発展し、精巧な白磁や染付、特に透かし彫りや置物で知られます。「唐子絵」も有名です。

波佐見焼（はさみやき）： 東彼杵郡波佐見町で焼かれる陶磁器。江戸時代には「くらわんか碗」などの日常食器を大量生産し、庶民の生活を支えました。近年はモダンなデザインでも人気です。

これらは広義の「古伊万里」として、特に17世紀から18世紀にかけてはヨーロッパへも大量に輸出され、世界の磁器文化に大きな影響を与えました。

長崎版画とキリシタン文化の遺物

長崎では、江戸時代に「長崎版画（長崎絵）」と呼ばれる、異国の風俗や船、人物などを描いた木版画が作られました。また、キリスト教禁制下で信仰を守り抜いた潜伏キリシタンの遺物（マリア観音、メダイ、クルスなど）も、長崎の歴史を物語る貴重な文化財です。

古美術永澤では、こうした長崎の歴史と文化を深く理解し、舶来品、長崎漆器、肥前陶磁、長崎版画、キリシタン関連品など、多岐にわたるジャンルの長崎における骨董品買取に対応しております。