章炳麟しょうへいりん

章炳麟（しょうへいりん、1869年1月12日-1936年6月14日）は、清末民初にかけて活躍した学者、革命家。字は枚叔。号は、太炎。

幼少期より母方の父と祖父から考証学（経学、小学、史学、礼制の学、諸子学をまとめたもの）の指導を受け、1890年に杭州にある詁経精舎に入り兪樾に師事。

そこで古文経学、小学、史学を修め、戴震から続く皖派考証学に連なる学者であった。しかし章炳麟は、官史登用のための資格試験の学問を馬鹿にしていたため真面目に受験しなかったので、進士にはなっていない。

日清戦争の敗北が章炳麟の人生の転機であると言われている。康有為が戦争直後に、下関条約締結に反対する人々が中心となって、清朝の富国強兵を研究、推進することを目的として設立された強学会に入っていることから、敗戦とそれに伴う領土割譲、賠償金の支払いに、他の知識人同様大きな衝撃を受けたに違いない。

これ以後清末の政治的混乱が続く在野では、康有為とその弟子梁啓超を中心とする立憲君主制を目指す変法派と孫文ら共和制樹立を目指す革命派が歴史の舞台に登場し、協力と対立を繰り返しながら清末の政治変革が行われた。