乾隆帝の作品買取けんりゅうてい

乾隆帝は1711年に生まれ、1735年に皇位を継承し、清王朝第6代皇帝となりました。1796年に息子・嘉慶帝へ禅譲した後も太上皇として実権を保ち、1799年に亡くなるまで実質的な統治を続けました。

彼は単なる統治者ではなく、熱心な芸術家・書家・詩人でもありました。その詩作は4万篇以上、書や絵画も自ら手がけ、美術創作にも付加価値を与えました。
さらに、乾隆帝は美術の最大のパトロンでもあり、建築・絵画・陶磁・玉器・象牙工芸など宮廷美術のすべてに影響を及ぼしました。その宮廷工房は芸術家たちを組織的に支え、まさに「乾隆様式」と呼ばれる美術様式を生みました。

乾隆帝は西洋画法にも関心を示し、イエズス会宣教師の宮廷画家ジョゼッペ・カスティリオーネ（郎世寧）を重用し、ヨーロッパの遠近法・陰影技法を宮廷絵画に取り入れました。

また、仏教芸術と西洋リアリズムの融合による仏像風肖像画（曼荼羅風人物肖像）制作にも関与し、多文化的視点で芸術を統合する姿勢が見られます。

彼は中国古典文化を再評価し、最大級の文献集『四庫全書』の編纂を推進。美術だけでなく学術も震撼させた文化事業でした。

また、退位後に築いた頤和園（円明園）の乾隆花園では、宮廷造園と建築にも細部まで関与し、美的空間創造に対する審美眼を反映しました。1世紀近く公開されたことがなく、北京故宮博物院（旧紫禁城）内の神秘的な存在でした。2025年の9月に初の一般公開となり、世界で話題となりました。