呂紀りょき

呂紀（りょき、ろきともいう。生没年不詳）は中国、明代の画家である。字は廷振。浙江省に生まれる。号は楽愚、楽漁。
弘治年間（1488-1505年）に召されて宮廷に仕え武英殿待詔となり、のち錦衣衛指揮となった。辺文進や南宋院体画を学ぶ。鮮麗な賦彩と細緻な描写を特色とする装飾的花鳥画を得意とした。さらに唐末の諸家を模して、ともに画院に入った林良の写意的画風に対抗する写生派を確立した。筆墨法には同時代の山水画派である浙派の影響が指摘されている。
明代中期の著名な宮廷画家である呂紀の描いた装飾的花鳥画は華やかな彩色を施した写実的な鳥、雉、鳩、鴛鴦など、水墨による樹木や花草の描写が対照的な作品が多い。
呂紀とその一派の花鳥画は，日本へ舶載も多く、室町時代以降の絵画にも影響を及ぼした。