作品の査定・評価について
川出柴太郎の作品を高く評価しております。
もし作品がお手元にございましたらぜひご相談ください。
川出 柴太郎(かわで しばたろう、1856年~? )は尾張七宝の名工です。明治から昭和初期にかけて活躍した日本の陶芸家で、特に瀬戸焼の分野で知られる人物です。生年や没年などの詳細な記録は多く残っていませんが、主に明治後期から大正期にかけて制作活動を行ったと考えられています。
日用品としての陶磁器にとどまらず、美術性の高い器や置物を多く手がけた作家です。伝統的な瀬戸の技法を基礎としながらも、釉薬の工夫や造形の洗練によって、当時の近代的な美意識を取り入れた作品を生み出しました。特に、落ち着いた色調の釉薬表現や、端正で品のあるフォルムには、実用と鑑賞の両立を目指した姿勢がうかがえます。
また、明治以降の日本では、輸出向け陶磁器の需要が高まっていましたが、川出柴太郎の作品にも、海外市場を意識した意匠や完成度の高さが見られる点が特徴です。そのため、国内だけでなく、海外に渡った作品も少なくありません。
現在では、川出柴太郎の作品は骨董市場や美術工芸の分野で評価され、近代瀬戸焼を語るうえで欠かせない作家の一人として位置づけられています。派手さはないものの、時代の空気を静かに映した誠実な作風が、今も多くの人に親しまれています。
1870年代後半〜1880年代前半
愛知県瀬戸に生まれたと考えられる。
瀬戸焼の産地環境の中で育つ。
1890年代後半(1895年頃〜)
瀬戸の陶業に関わり始め、陶磁器制作の修業期に入る。
伝統的な瀬戸焼の技法を学ぶ。
1900年代初頭(1900年〜1905年頃)
作家として独立、または自身の名を用いた制作を開始したと考えられる。
1905年〜1920年頃
川出柴太郎の名で作品を制作。
実用器のほか、美術性を意識した器・置物を手がける。
この時期、日本陶磁器の海外輸出が活発化しており、
それを意識した完成度の高い作品が見られる。
1910年〜1925年頃
釉薬表現や造形に成熟が見られ、
近代瀬戸焼の一作家として安定した作風を確立した時期と考えられる。
1920年代後半以前
制作活動を終えた、もしくは第一線から退いた可能性が高い。
没年・晩年の詳細は不詳。
現代
作品は骨董市場・古美術分野で評価され、
近代瀬戸焼を代表する作家の一人として位置づけられている。





