
歌川国貞(三代 歌川豊国)と二代 歌川広重による浮世絵「江戸自慢三十六興 愛宕山毘沙門ノ使(あたごやまびしゃもんのつかい)」です。
「江戸自慢三十六興(えどじまんさんじゅうろっきょう)」は、元治元年(1864年)頃に刊行された連作で、三代 歌川豊国(人物)と二代 歌川広重(風景)が合作し、四季折々の江戸の風情や風俗、な名所や年中行事、名物を鮮やかに描いた全36図のシリーズです。
本図は現在の東京都港区にある愛宕神社(愛宕山)で毎年1月3日に行われる「強飯式(ごうはんしき)」という信仰行事の様子が描かれています。
奥に見えるのは86段、傾斜40度という愛宕神社の急な石段である「男坂(出世の石段)」。この行事では、素襖(すおう)を着て、ざるに飾り物を付けてかぶり、大きな杓文字(しゃもじ)を杖にした「毘沙門の使い」が本殿から男坂を降り、麓にある円福寺へ行き、頂戴人と呼ばれる修行僧などに飲食を強要し、僧がそれに応えます。強飯式は「供物を大切にする」という教えを伝える儀式で、見物客も押し寄せました。頂戴人には無病息災、厄よけなどのご利益があると言われています。
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