
人間国宝・板谷波山による青磁香爐をお譲りいただきました。
板谷波山は明治から昭和にかけて活躍した日本陶芸界の巨匠であり、特にその透明感あふれる青磁と精緻な彫刻技法で世界的にも高い評価を受けています。今回の香爐も、波山芸術の真髄を感じさせる上質な作例です。
本作は胴部に均整の取れた段状の造形を持ち、釉薬は淡く澄んだ翡翠色を呈しています。この色合いは波山特有の青磁釉の調合と長年の研究によって生まれるもので、柔らかな光沢と奥行きのある色調が観る者を魅了します。
香蓋の黒色の金属地に施された透かし彫りは、唐草文様のように有機的な曲線が絡み合い、光を通して香煙が立ちのぼる様子をより幻想的に演出します。中央には朱色の玉が嵌め込まれ、深い黒との対比によって視線を引きつけます。この朱玉は単なる装飾にとどまらず、古来より魔除けや吉祥の象徴として尊ばれてきた色彩であり、香爐全体の格調を高めています。
香道具としての実用性を備えつつ、美術品としての鑑賞性も極めて高い逸品であり、波山作品の中でも特に完成度と存在感を兼ね備えた一作といえるでしょう。市場においても保存状態と付属品の揃い具合から高く評価され、今回の買取においても満足いただける査定額をご提示することができました。
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