
初代 歌川広重による浮世絵「富士三十六景 左側の作品:甲斐大月の原(かいおおつきのはら)と右側の作品:甲斐御坂越(かいみさかごえ)」です。
富士三十六景は広重がその画業の晩年に手掛けた富士山をテーマにしたシリーズで、葛飾北斎に対抗して描いたと言われています。
甲斐大月の原は、現在の山梨県大月市付近から描かれた景色です。すすきだけではなく、野菊、桔梗、女郎花(おみなえし)などの綺麗な色の花々を加え、華やかささえ感じさせる作風となっています。低い視点から秋草越しに富士を望む構図が、草むらに座り込んで景色を眺めているような印象を与えます。
甲斐御坂越は、現在の山梨県富士河口湖町、御坂峠から河口湖越しに望む富士山を描いています。峠を登りきったところで、旅人の目には、富士と河口湖が飛び込んできます。本図は、まさにその旅人の感覚、絶景を目にしたときの驚きと感動を追体験させてくれます。河口湖の右手の島は富士五湖唯一の無人島・鵜の島です。左端の岬は産屋ヶ崎、右奥の山は足和田山です。
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