
桐木地に優雅な蒔絵が施された「近江八景蒔絵 香箪笥」をお譲りいただきました。絵巻や山水画のような意匠が美しい、格調高い調度品です。
本作は、杢目の美しい木地に、平蒔絵・高蒔絵・切金などの多彩な技法や金銀の濃淡を巧みに用い、草花文や風景文を繊細に描き出した小箪笥です。
箪笥外面には、秋草花文が金銀の蒔絵によって豊かに表現されております。菊や薄のほか、朝顔や芙蓉など夏の草花も部分的に配され、雲間にのぞく月の意匠と相まって、初秋の野原の情緒を美しく描き出しています。
また、野の草花を飛び交う蝶には蒔絵ではなく、金属を嵌め込む象嵌技法が用いられ、画面に立体感と変化を与えています。
内部の各引出しには、琵琶湖の景勝を表した「近江八景」を主題とする情景や春の草花が丁寧に描き分けられております。「瀬田夕照」や「堅田落雁」といった名所が高度な蒔絵技法によって再現された様子は、本作の完成度の高さを物語る見どころの一つとなっています。
古美術永澤では、このような香道具や、蒔絵が施された漆器や調度品などの漆芸品・工芸品を幅広く買取いたしております。査定をご検討の際はどうぞお気軽にご相談ください。




