
磯田長秋(いそだ ちょうしゅう)の掛け軸
このたびお譲りいただいたのは、磯田長秋(いそだちょうしゅう)による源平合戦図の掛軸です。画面には、牛車に乗る公家が武士に襲われる場面が生き生きと描かれており、源平合戦の緊迫した一幕を伝えています。
描かれている主題は、公家や従者が武士に襲撃される情景で、源平合戦絵巻の中でもよく描かれる題材のひとつです。この場面は、単なる合戦描写ではなく、当時の社会で起きた大きな変化――つまり、公家社会が武士の武力によって圧倒されていく姿を象徴的に表しています。
人物の表情や衣装、馬の動きに至るまで細かく描写されており、合戦の緊張感が伝わります。牛車という貴族文化の象徴と、力強く描かれた武士の姿が対比的に表されている点も印象的です。
磯田長秋は、歴史画や武者絵を得意とし、合戦図を数多く手がけた画家です。本作もその特色をよく表しており、源平合戦の象徴的な場面を迫力ある筆致で再現しています。保存状態も良好で、掛軸としての鑑賞価値を十分に備えています。
今回のお品は、歴史的な題材と力強い表現が融合した武者絵掛軸として、大変魅力的な一作と判断いたしました。
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