
ローマ教皇から授与される5つの騎士団勲章のうちの1つである「ピウス9世勲章」です。
19世紀のローマ教皇ピウス9世にちなんで名付けられました。
ピウス9世は教皇領の終焉と統一国家イタリアの誕生を目撃した、史上最も長く在位したローマ教皇です。
この勲章の等級は大十字(Grand Cross)で、教皇庁に特別な功績のあった人に、信徒・非信徒を問わず授与されます。青い八芒星の中央「PIVS IX」の文字周りにはラテン語のモットー「VIRTVTI ET MERITO」(勇気と功績に)が記されています。
青い八芒星はキリスト教で大切な意味を沢山含んでいます。この晴れ渡った空のような鮮やかな青色は、教皇庁の伝統的色の「アズール」であり、聖母マリアを象徴します。聖母マリアには「Stella Maris」(ステラマリス)という呼び名もあり、これはラテン語で「海の星の聖母」を意味し、キリスト教徒にとっての希望の星である聖母マリアが「海の星」として称えられていたという、古来からの信仰もあります。また「8」という数字自体が再生や復活、新しい始まりを象徴しており、イエス・キリストの復活が8日目(=安息日の翌日)であったことと意味付けされています。
教皇ピウス9世はマリア崇敬を特に重んじた人物で、1854年に「無原罪の御宿り(Immaculate Conception)」教義を正式に宣言したことで知られます。これは、聖母マリアは例外的に、母アンナの胎内に宿った瞬間から「原罪から守られていた」という信仰上の教えです。「ピウス9世勲章」は、まさにこの教義にちなんだ、聖母マリアの清らかさを象徴する勲章です。
日本人では斎藤実元首相が受章しています。
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