蒔絵べっ甲櫛

蒔絵べっ甲櫛をお譲りいただきました。

蒔絵べっ甲櫛は、江戸時代から明治、大正期にかけて多くの女性たちに愛された和装小物の一つです。鼈甲（べっこう）とはウミガメの一種タイマイの甲羅を加工した素材で、その柔らかな艶と軽さ、そして独特の飴色が特徴です。そこに金や銀などを用いた蒔絵細工が施されることで、櫛は日用品を超えた美術品としての価値を持ちます。

蒔絵べっ甲櫛は、婚礼道具や贈答品としても人気があり、細工の精巧さや意匠の美しさから、当時の職人技の粋を感じることができます。桜や菊、梅、藤など四季折々の花々が描かれたものや、縁起の良い鶴や亀、扇などが意匠化されたものは特に人気が高く、現在でもコレクターの間で評価されています。

しかし、べっ甲はワシントン条約によって原材料の輸出入が禁止されているため、現在では新たに製造されることがほとんどありません。つまり、現存する蒔絵べっ甲櫛は、希少価値の高いアンティークといえます。保存状態が良く、蒔絵に剥落や傷が少ないもの、また銘（職人名）があるものは特に高額の査定が期待できます。

査定では、材質、蒔絵の技法、図柄、保存状態などがポイントとなります。箱書きや共箱が残っていれば、それも価値を高める要素となります。思い出の詰まったお品を手放す際には、価値をしっかり見極めてくれる古美術専門店に相談することをお奨めします。

ご自宅に眠る蒔絵べっ甲櫛の買取をお考えでしたら、ぜひ、古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が丁寧に拝見いたします。

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