
網代細工 眼鏡入
この度、大変美しい網代細工の眼鏡入をお譲りいただきました。
この眼鏡入は、竹を薄く削いだ竹ひごを用いた網代編みで仕上げられた逸品です。様々な編み方が施されており、職人の卓越した技術力を物語っています。
注目すべきは、各段ごとに変化する編み目の表現です。密な亀甲編み、矢羽根編み、黒竹を交えた市松模様など、まさに技法の見本帳のような構成となっています。
竹材は経年により美しい飴色に変化し、特に黒竹との対比が際立って美しく、時代の風格を感じさせます。
江戸時代の眼鏡は非常に高価な舶来品であり、その保管用具である眼鏡入も同様に贅沢品でした。このような精巧な網代細工の眼鏡入は、当時の富裕層や知識人階級が使用していたものと考えられます。
現存する江戸期の眼鏡入の中でも、これほど多様な編み技法を一つの作品に込めたものは珍しく、また保存状態も良好で、蓋の開閉もスムーズに機能しており、実用性も保たれています。
今回の査定では以下の点を重視いたしました。
・技術的評価:多彩な編み技法の習熟度と仕上げの精密さ
・時代性:竹材の変色具合と全体の風合いから推定
・希少性:同種の作品の市場流通量の少なさ
・保存状態:構造的破損がなく、機能性も良好に保たれている点
これらの要素を総合的に評価し、お客様のご希望価格を上回る金額での買取となりました。お客様には「家に眠っていた古いものがこんなに価値があるとは」と大変喜んでいただけました。
古美術永澤では、このような伝統工芸品の真価を正しく評価し、適正な価格での買取を心がけております。ご家庭に眠る古美術品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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