
山伏の根付
先日、お客様より大変貴重な「山伏(やまぶし)根付」をお譲りいただきました。
お持ち込みいただいた山伏の根付は、精巧な彫刻が施されており、錫杖(しゃくじょう)を持ち、笈(おい)を背負い、そして険しい表情からは、厳しい修行に身を投じる山伏の生き様が伝わってきます。
根付は江戸時代に煙草入れや印籠などを帯から提げる際に用いる留め具として発展しましたが、単なる実用品に留まらず、その意匠には人々の美意識や信仰、そして生活が色濃く反映されています。今回の山伏根付も例外ではなく、修験道という日本独自の信仰形態を象徴する山伏の姿が、当時の人々の信仰心や自然への畏敬の念を感じさせます。
印象的だったのは、根付が収められていた木箱です。箱には墨書きで銘や、製作年、そして贈られた経緯などが記されており、この根付が単なる工芸品としてではなく、大切に代々受け継がれてきたお品であることが示されていました。
今回お譲りいただいた山伏根付は、日本の文化と信仰、そして卓越した職人技が凝縮された逸品です。私たちは、この貴重な根付が、次の世代へと大切に受け継がれていくよう、次の持ち主への橋渡しをさせていただきます。
もしご自宅に眠っている古美術品や、価値が分からないお品物がございましたら、ぜひ一度、私ども古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が、一つ一つ丁寧に拝見し、その真の価値を見極めさせていただきます。
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