懸硯

懸硯

懸硯 (かけすずり)

工芸品買取 2025.06.26

船箪笥の一種である懸硯(かけすずり)をお譲りいただきました。

本品は、深みのある木肌と堅牢な金具が印象的な逸品です。金具の配置や持ち手部分の意匠からは、職人のこだわりと確かな技術が感じられます。

懸硯は、主に江戸時代から明治期にかけて、船頭や船主が船上で使用した小型の箪笥で、硯(すずり)、墨、水滴といった筆記用具一式、さらには貴重品や書類、印鑑などを収納するために用いられました。 荒波の中でも安定して置けるよう、重心が低く設計されており、また水濡れや盗難から中身を守るための工夫が随所に見られます。

注目すべきは、金具のディテールです。角を補強する金具や引き出しの引手、そして上部の持ち手の形状に至るまで、上質な素材が用いられ精緻な打ち出しが施されています。長年の使用によって表面に現れた微細な傷や、金具の鈍い光沢は、この箪笥がどれほどの時を重ねてきたかを物語っています。

このような懸硯は、かつては嫁入り道具の一部として持参されたり、商家で帳場周りの貴重品入れとして使われたりするなど、様々な用途で用いられてきました。特に今回お譲りいただいたお品は、その作り込みから見ても、ある程度の格式を持った家庭や商家で大切にされていたものと推測されます。

お客様からは、「昔から家にあったものですが、引っ越しを機に手放すことを決めました。大切にしてくれる方の手に渡れば嬉しいです」とのお言葉をいただきました。

古美術品は、単なる古い品物ではありません。そこには、人々の暮らしや文化、そして作り手の魂が宿っています。私たちは、そうした歴史的価値のあるお品物を、適正な価格で評価し、次へと繋ぐ架け橋となることを使命としております。

ご自宅に眠っている骨董品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の無料査定をご利用ください。専門の査定士が丁寧に拝見し、その価値をしっかりと見極めさせていただきます。

工芸品買取の買取実績一覧に戻る

関連買取実績

ご相談・お申込みはこちらまで

ご相談・お申込み

経験豊富なオペレーターがご対応します

0120-08-5108 営業時間 : 8:30〜17:30 年中無休 買取も、年中無休でご訪問

お電話以外での査定依頼

品数の多い方おすすめ

毎月、東京目白で開催

LINEで画像を送るだけ

フォームから画像送信

査定料、訪問料は不要です。お気軽にご相談ください。

ご相談・お申込みはこちらまで

ご相談・お申込み

経験豊富なオペレーターがご対応します

0120-08-5108

営業時間 :8:30〜17:30 年中無休

お電話以外での査定依頼

品数の多い方おすすめ

毎月、東京目白で開催

LINEで画像を送るだけ

フォームから画像送信

査定料、訪問料は不要です。お気軽にご相談ください。

出張買取

美術品の時価評価が必要な皆さまへ

懸硯を含め、相続や企業の帳簿価格の見直し等で必要な美術品・骨董品の時価評価は、「美術品評価サービス」がございます。

美術品評価サービスについて

選べる買取方法