
銀象嵌(ぞうがん)の鉛筆補助軸
先日、お客様より、貴重な銀象嵌(ぎんぞうがん)が施された鉛筆補助軸をお譲りいただきました。
お預かりしたのは、経年により鈍く光る銀と真鍮のコントラストが美しい一本の筒状の品です。
一見するとシンプルな鉛筆補助軸のようですが、手にとってよく見ると、その表面には繊細な銀象嵌が施されています。細部に至るまで丹念に嵌め込まれた銀の輝きは、それが単なる文房具ではないことを物語っています。
この鉛筆補助軸は、おそらく明治から大正時代にかけて作られたものと推測されます。当時、鉛筆はまだ比較的新しい筆記具であり、それを収めるケースもまた、単なる実用品としてだけでなく、所有者の趣味や権威を示す美術工芸品としての側面も持ち合わせていました。特に、金属に別の金属を嵌め込む「象嵌」の技法は、高度な技術と手間を要するため、贅沢な品であったことでしょう。
象嵌の技術は、古くから刀の鍔(つば)や煙草入れなど、様々な調度品に用いられてきました。特に銀象嵌は、その白銀の輝きが真鍮や銅などの地金に映え、格調高い美しさを醸し出します。今回の鉛筆軸ケースに施された象嵌も、まさに熟練の職人技の結晶と言えるものです。
古美術品は、その道のプロでなければ価値を判断するのが難しいものです。もしご自宅に「これって何だろう?」「価値があるのかな?」と思うような古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、その品の持つ歴史や価値をしっかりと見極め、適正な価格で買取させていただきます。お客様の大切な品を、次へと繋ぐお手伝いをさせていただければ幸いです。
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