
象嵌 櫛と笄 (こうがい)
先日、お客様より、見事な象嵌が施された櫛と笄(こうがい)をお譲りいただきました。
お持ち込みいただいたのは、漆黒の漆地に、繊細な意匠が象嵌によって描かれた櫛と笄のセットです。象嵌とは、地となる素材に溝を掘り、そこに異なる素材を嵌め込んで模様を表す技法です。今回のお品には、白蝶貝やアワビ貝といった螺鈿(らでん)の素材が用いられ、花々や竹のような葉が、瑞々しく表現されています。特に、光の当たり方によって輝く螺鈿の煌めきは、見る者の心を捉えます。
櫛は女性の髪を整えるだけでなく、古くから装身具としても重要な役割を担ってきました。特に江戸時代以降、蒔絵や螺鈿、象牙細工など、様々な技法を凝らした美しい櫛が数多く作られ、女性たちの美意識を象徴するアイテムとして愛されてきました。笄もまた、結い上げた髪に挿して飾りとするほか、時には簪(かんざし)の代わりとしても用いられたと言われています。
お品の状態も良好で、永い年月を経ているにもかかわらず、漆の艶やかさ、象嵌の剥がれや欠けもほとんど見受けられませんでした。
古美術永澤では、このような日本の伝統工芸品、特に古美術としての価値を持つ櫛や笄、簪などの髪飾りを積極的に買取させていただいております。象嵌や蒔絵、螺鈿といった高度な技術が用いられた作品はもちろんのこと、時代背景や歴史的価値を持つお品物についても、専門の査定士が一点一点丁寧に拝見し、適正な評価をさせていただきます。
ご自宅に眠っている古い櫛や笄、その他、茶道具、書画骨董など、価値が分からず処分に困っているお品物がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。お客様の大切なお品物を、次世代へと受け継ぐお手伝いをさせていただきます。
関連買取実績
-
2025.07.17
-
2025.07.17
-
2025.07.16
-
2025.07.16