
象牙の帯留
先日、お客様より、大変素晴らしい象牙製の帯留をお譲りいただきました。細部にまでこだわり抜かれたその造形は、まさに職人技の結晶です。
お持ちいただいたのは、象牙を彫り上げて「つくし」を表現した帯留です。つくしの頭の部分、袴、そしてすらりと伸びた茎が、まるで本物と見紛うばかりの精巧さで再現されており、象牙特有の柔らかな光沢と温かみが、作品に一層の生命力を与えています。
特に感銘を受けたのは、つくしの頭が精緻に彫り出されている点、そして袴の質感や茎のしなやかなカーブが、自然な立体感をもって表現されている点です。小さくも存在感のあるこの帯留は、きっと着物姿をさらに引き立てる、唯一無二のアクセントとなったことでしょう。
象牙は、その加工のしやすさと独特の風合いから、古くから工芸品の素材として珍重されてきました。しかし、国際的な取引規制が厳しくなった現在では、新たな象牙製品の製造・流通は極めて限定的となっています。そのため、過去に製作された象牙の美術品や工芸品は、その希少性と歴史的価値から、現在も高い評価を受けています。
今回お買取させていただいた帯留も、単なる装身具としてだけでなく、日本の伝統的な工芸技術と美意識が凝縮された美術品として、その価値を再認識させられる逸品です。
古美術永澤では、今回の象牙帯留のように、美術品としての価値を持つ工芸品から、代々受け継がれてきた大切なお品物まで、専門の査定士が一点一点丁寧に拝見し、適正な価格で買取させていただきます。遺品整理や蔵の整理などで、ご自宅に眠っている古美術品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。お客様の大切な品々を、心を込めて次の持ち主へと橋渡しさせていただきます。
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