
象嵌(ぞうがん)の櫛
先日、お客様より、繊細な技術と優雅な意匠が凝らされた象嵌(ぞうがん)の櫛をお譲りいただきました。
お持ち込みいただいたのは、代々受け継がれてきたという貴重な品々の中の一つとのこと。お客様はご自身のライフスタイルの変化に伴い、大切にしてきた品々を次世代へと繋ぐお手伝いをしたいというお気持ちから、弊社にご相談くださいました。
木箱に収められたその櫛は、深い緑色の地に可憐な花々が咲き誇っています。注目すべきは、その象嵌の技法。異なる素材を嵌め込んで文様を表現する象嵌は、古くから工芸品に用いられてきた装飾技法ですが、この櫛に施された象嵌は、その精緻さにおいて群を抜いています。
花びら一枚一枚、葉脈の一本一本に至るまで、細部にわたり丁寧に象嵌されており、見る角度によって光沢が変わり、立体感と奥行きを感じさせます。素材の選定もまた見事です。
保存状態は良好で、長年の時が経過しているにもかかわらず、象嵌部分の剥がれや木地のひび割れ、また歯の欠けなどもほとんど見られず、大切に保管されてきたことがうかがえます。箱に記された筆書きの銘も、この櫛の来歴を物語る重要な手がかりとなり、査定において高い評価につながりました。
象嵌の櫛は、その美しさだけでなく、日本の伝統文化や歴史を伝える貴重な資料でもあります。私たちは今回お譲りいただいたこの櫛が、次の世代へと大切に受け継がれ、新たな場所でその輝きを放ち続けるよう、最善を尽くしてまいります。
ご自宅に眠る古美術品や、価値が分からず処分に困っているお品物がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の無料査定をご利用ください。経験豊富な査定士が、一点一点丁寧に拝見し、適正な価格をご提示させていただきます。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
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