
金銀象嵌(ぞうがん) 帯留
先日、弊社にて買取させていただいた美しい帯留をご紹介いたします。そのお品は、象嵌(ぞうがん)による精緻な装飾が施された帯留です。
象嵌とは、素材の表面を彫り、そこに別の素材をはめ込んで模様を表現する伝統工芸技法です。こちらの帯留では、まず、木材に紅葉のモチーフが彫り込まれています。そして目を引くのが、木彫りの部分に施された金と銀の象嵌です。
桜の花は銀で、紅葉の葉は金色で表現されています。銀の桜は、いぶされたような渋い光沢を放ち、満開の桜が夜空に浮かぶような幽玄な美しさを醸し出しています。
象嵌は、単に金属をはめ込むだけでなく、木材の彫り込みと金属の厚み、そして表面の仕上げ方によって、まったく異なる表情を生み出します。この帯留は、それぞれの素材の特性を最大限に活かした見事な仕上がりです。
古美術品や伝統工芸品は、ただ古いだけでなく、その時代を生きた人々の美意識や、職人の技術、そして何よりも、受け継がれてきた物語が宿っています。私ども古美術永澤では、そのような価値を大切にし、一点一点丁寧に拝見させていただきます。
ご自宅に眠っている、ご家族から受け継がれた品物の中に、もしかしたらこのような素晴らしい作品があるかもしれません。価値が分からず処分に困っている、という品物でも、どうぞお気軽にご相談ください。専門の査定士が、お客様の思い出と共に、その価値をしっかりと見極めさせていただきます。
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