
木彫 蓮葉台
この度、お客様より、貴重な木彫の蓮台をお譲りいただきました。
何よりも注目すべきはその彫りの技巧です。一枚の蓮の葉が風に揺れ、わずかに反り返った様子が写実的に表現されています。
葉の表面に走る葉脈も、中心から放射状に広がる様子が丁寧に彫り込まれており、その繊細な仕事ぶりからは、作者の高い技術と自然に対する深い観察眼がうかがえます。
また、年月を経たことによる古色も、この作品の魅力の一つです。全体に渋く落ち着いた色合いを帯び、角の擦れや使い込まれたことによる艶からは、この台が大切にされ、多くの時間を経てきたことが見て取れます。このような経年変化は、新品の木製品にはない、古美術品ならではの味わいであり、作品に深みと風格を与えています。
このような蓮の葉をモチーフにした台座は、古くから仏像や香炉などを載せるための台として用いられてきました。仏教において蓮は、泥の中から清らかな花を咲かせることから、煩悩から解脱し、悟りを開くことを象徴する神聖な花とされています。そのため、仏具や仏像の台座として数多く製作されてきました。
今回の買取では、この作品の持つ美術的な価値、歴史的背景、そしてその希少性を総合的に評価し、お客様にご納得いただける価格を提示させていただきました。ご売却いただき、誠にありがとうございました。
古美術永澤では、このような素晴らしい工芸品や骨董品を専門の査定士が一点一点丁寧に拝見し、適正な価格での買取を心がけております。ご自宅に眠っている古美術品がございましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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