仏画

この度、貴重な仏画をお客様より買取させていただきました。燃えるような赤色を基調とし、威厳に満ちた表情と多くの腕を持つ尊格が描かれています。

まず目を引くのは、その鮮烈な色彩と力強い表現です。全身を赤色で彩られた尊格は、怒りの表情を浮かべながらも、どこか慈悲の眼差しを湛えているようにも見えます。頭上にはさらに別の尊格が配されており、複雑な教義と世界観が凝縮されていることが伺えます。多くの腕がある表現は、あらゆる方向へと衆生を救済しようとする仏の広大な慈悲と、様々な煩悩を打ち砕く絶大な力を象徴しています。

光背のような表現や、随所に施された金泥の装飾は、チベット密教美術の伝統的な様式美を強く感じさせます。

細部にわたり観察すると、経年による若干の痛みは見られるものの、全体としては良好な状態で保存されており、描かれた当時の色彩や筆致が生き生きと伝わってきます。

仏教美術は、絵画や彫刻といった芸術作品の枠を超え、人々の信仰心や哲学、そして文化が結実したものです。今回、買取させていただいたこの仏画も、まさにその好例であり、現代を生きる私たちに、深遠な精神世界を伝えてくれます。

私ども古美術永澤は、このような貴重な仏教美術品を、その文化的・芸術的価値を正しく評価し、次の世代へと受け継いでいくお手伝いをさせていただいております。ご自宅に眠る仏画や古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の査定士にご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、その価値を最大限に評価させていただきます。

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