
宝珠(ほうじゅ)を手にした観音菩薩の小さな立像です。像は手のひらに収まるほどの大きさで、持ち運びやすく、昔の人が日常的にお祈りするために大切にしてきたものだと考えられます。
観音菩薩が左手に持つ宝珠は「如意宝珠(にょいほうじゅ)」と呼ばれます。これは「願いをかなえる珠」とされ、持つ人の悩みや苦しみを取り除き、幸せへと導く力があると信じられてきました。そのため、宝珠を持つ観音像は、多くの人々にとって特別な信仰の対象でした。
表面には金色の部分がところどころ残っております。これは「鍍金(ときん)=金を表面に薄く貼る技法」で、当時は輝く仏像を作るためによく使われました。長い年月で一部ははがれていますが、それもまた多くの人に拝まれてきた証といえます。
小型の仏像は「持仏(じぶつ)」と呼ばれ、家庭や旅の際に身近に観音様をお祈りできるように作られました。この像もその一つで、人々の生活に寄り添い、信仰心を支えてきたものです。
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