
六角形の瑠璃灯籠をお譲りいただきました。黒い枠に青い板をはめ込み、金具で飾られた豪華なつくりで、まるで小さな建物のような存在感があります。
この灯籠はお寺で使われるもので、中に灯りを入れると青い面を通してやわらかな光が広がります。その青色は「瑠璃色」と呼ばれ、薬師如来が治める理想の世界「瑠璃光浄土」を表すとされています。つまり、この灯りは単なる明かりではなく、「仏の光」を表す特別な意味を持っていました。
江戸時代には大名や信者がこうした灯籠をお寺に奉納し、堂内を荘厳するために使われました。当時の人々にとって、青く輝く灯りはまさに極楽の光景を思わせるものだったのです。
現代では実際に使われることは少なくなりましたが、宗教具としての象徴性に加え、漆塗りや金具の細工など工芸的な価値も高く、美術品としても十分に鑑賞価値があります。本作もまた、当時の人々の信仰と美意識を伝える貴重な灯籠です。
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