
チベット金銅仏 (こんどうぶつ)
先日、お客様より、チベット密教の伝統的な金銅仏を買取させていただきました。本作品は多数の腕を持つ憤怒尊(ふんぬそん)と見られる仏像で、チベット仏教美術の特徴的な表現技法が随所に見られます。
この仏像の最も印象的な特徴は、力強い憤怒相の表情にあります。眉をひそめ、口を大きく開けた表情は、煩悩を打ち砕く威力を象徴しており、見る者に強烈な印象を与えます。複数の腕を左右に広げた多臂(たひ)の表現は、あらゆる方向から衆生を守護する力を象徴しています。
各手の指の形や手首の装身具に至るまで、細部にわたって丁寧に造形されており、制作者の高い技術力が窺えます。頭部に施された精巧な宝冠は、葉状の装飾や宝珠などが立体的に表現され、チベット密教美術特有の装飾的豊かさを示しています。
胸部の円形装飾は宗教的な意味を持ち、腰部の装身具と共に神聖な存在であることを示しています。衣文の表現も見事で、躍動感のある立ち姿に合わせて自然に流れる布の質感が巧みに表現されています。蓮華座の花弁一枚一枚も彫り込まれ、仏像全体を荘厳に支えています。金色の仕上げは経年による古色を帯びながらも、チベット金銅仏特有の温かみのある輝きを保っています。
チベット仏教美術は、7世紀以降にインドから仏教が伝来し、特に密教系の仏教は8世紀以降に体系化されました。金銅仏の制作技術はネパールを中心とした職人技術の影響を受けながら、チベット高原の厳しい環境下で洗練されていきました。
チベット仏教では、このような憤怒尊が修行者を守護し、悟りへの道を切り開く存在として崇拝されています。
古美術永澤では、チベット仏教美術に精通した査定士が、このような専門性の高い仏像についても適切な評価を行っております。チベット密教仏像の買取をご検討の際は、ぜひ古美術永澤へご相談ください。
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