
銅製 唐獅子置物
この度、大変力強く、精緻な造りの銅製唐獅子置物をお譲りいただきました。堂々とした立ち姿と躍動感あふれる表情が印象的です。
鬣(たてがみ)や尻尾の毛並み、脚部の力強い表現など、細部にわたる丁寧な造作からは、当時の優れた鋳造技術と工人の息遣いが感じられます。経年により深みを増した銅の肌合いが、この唐獅子に風格と歴史の重みを加えています。
唐獅子のモチーフは、古代インドから仏教とともに中国へ伝わり、魔除けや守護の象徴として、宮殿や寺院の門前に一対で配置されるようになりました。権威の象徴、あるいは人々に福をもたらす瑞獣として古くから尊ばれ、その姿は時代や地域によって多様に変化しながら、美術工芸品の題材としても愛され続けています。
本品もまた、そうした歴史と文化を背景に持つ、由緒ある美術品の一つと言えます。単なる置物としてではなく、空間に威厳と吉祥の気をもたらす存在として制作されたと見られます。
ご自宅に眠る古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にお声がけください。熟練の査定士が、丁寧に拝見し、適正に評価させていただきます。
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