
磬(けい)
貴重な仏教美術品である銅製の「磬(けい)」をお譲りいただきました。荘厳な雰囲気と歴史の重みを感じさせる、素晴らしいお品です。
磬とは、読経の合図や儀式の節目に用いられる、仏教において重要な「梵音具(ぼんおんぐ)」の一つです。古代中国の打楽器に起源を持ち、日本では奈良時代から製作が始まりました。特に密教寺院などでは、欠かせない仏具として発展を遂げ、その装飾は時代の美意識を反映しながら洗練されていきました。
このお品は、銅の落ち着いた古色と優雅な造形をしています。中央には蓮華文(蓮の花を上から見た図案)の「撞座(つきざ)」が配され、その左右には羽根を広げた二羽の孔雀(くじゃく)が配されています。仏教において孔雀は、毒蛇を食べることから「神秘的な力」を持つとされ、人々の苦しみを食い尽くす象徴として尊ばれてきました。
孔雀の尾羽や頭上の飾りなど、細部にわたる鋳造の技術からは、当時の職人の高い技量が窺えます。磬を打つための桴(ばち)と見られる道具も付属しており、使用されていた当時の様子を偲ばせます。
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