
懐中仏 (かいちゅうぶつ)
この度、素晴らしい懐中仏二体をお譲りいただきました。一つは「千手観音菩薩」を、もう一つは「不動明王」をそれぞれ精緻に表した、円形の容器に収められた珍しいお品です。
懐中仏とは、古くは旅路の安全や日々の信仰の証として、武士や商人などが懐に入れて携帯したとされる小さな仏像です。今回のような容器に納められたものは、その意匠の凝らし方から、持ち主の篤い信仰心と美意識を今に伝えています。
左側の千手観音菩薩像は、多数の腕を持つ姿が特徴的ですが、本品では、その限られた空間に多数の手を巧みに表現しています。その温かい表情からは、穏やかな慈悲が感じられます。
一方、右側の不動明王像は、炎を背に、右手に煩悩を断ち切る剣、左手に衆生を救い出す羂索(けんさく)を持つ躍動感あふれる表現は、見る者を圧倒する迫力があります。
これら二つの仏様は、信仰の対象であると同時に、当時の高度な工芸技術を示す美術品としても極めて価値が高いものです。
古美術永澤では、時代を超えて受け継がれてきた古美術品の価値を正しく見極め、次の世代へと繋いでいくことを使命としております。仏教美術品の査定・買取は、実績豊富な古美術永澤にお任せください。
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