
古硯(こけん)
この度、書道愛好家のお客様より、大変見事な「古硯(こけん)」をお譲りいただきました。精緻な彫刻が施されたこちらの硯は、見る者を惹きつける独特の魅力を放っています。
今回お預かりした硯は、その意匠から、書に対する深い造詣と、吉祥への願いが込められていることが伺えます。
上部には、たなびく瑞雲(ずいうん)が彫り込まれています。瑞雲とは、めでたいことの兆しとして現れる雲のことで、古くから吉祥の象徴とされてきました。
そして、下部には力強く打ち寄せる波濤(はとう)が表現されています。荒々しくも美しい波の様子は、書における筆遣いの力強さや、墨の濃淡が生み出す奥行きを彷彿とさせます。また、波は絶え間なく押し寄せることから、永続性や繁栄を意味するとも言われます。
瑞雲と波濤という二つの異なる要素が一体となった構図は、天と地、静と動、相反するものが調和し、より大きな力を生み出すという、東洋思想の根底にある哲学をも感じさせます。
また、この硯には、一見してその古格が感じられます。表面には長い年月を経て自然に生じた擦れや色の変化が見られ、それがこの硯に一層の深みと味わいを与えています。
今回買取させていただいた古硯は、その意匠の素晴らしさ、経年の味わい、そして実用性を兼ね備えています。
もしご自宅に、かつて使われていた書道具や、譲り受けたものの価値がわからない古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。眠っているお品物の中に、思わぬ価値が秘められているかもしれません。専門の知識を持った査定士が、一点一点丁寧に拝見し、適正な価格で買取させていただきます。
大切な書道具の買取は、古美術永澤にお任せください。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
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