
古硯 (こけん)
先日、お客様より、大変貴重な古硯 (こけん) を買取させていただきました。お譲りいただいたのは、上質な石質の古硯です。
この硯は、蓋と硯本体からなる一対の品で、それぞれ経年による深い色合いと、使い込まれた痕跡が、この硯が歩んできた長い歴史を物語っています。
硯本体は、おそらく長年の使用により表面が磨かれ、奥深い光沢を放っています。これは単なる表面的な光沢ではなく、墨を磨り続けたことによって生まれた、硯本来の石の質感が引き出されたものです。
長年の使用により、墨堂(墨を磨る部分)には微細な凹凸が生まれ、これが墨の粒子を細かく均一に磨り潰し、発色の良い墨液を生み出します。それは、単なる筆記具ではなく、書道という芸術を支え、高めてきた道具としての矜持を感じさせます。
この硯のもう一つの魅力は、その保存状態の良さです。経年による使用感はあるものの、大きな欠けや割れはなく、しっかりと元の形を保っています。これは、持ち主がこの硯をいかに大切にしてきたかを物語っています。蓋と本体がぴったりと合い、隙間なく収まる様は、丁寧な扱いを受けていた証拠です。
このような古硯は、骨董品として価値があるだけでなく、書道文化の歴史を伝える貴重な史料です。この硯が作られた時代、どのような人々が、どのような思いでこの硯を使ってきたのか。そうした想像力を掻き立てられることも、古美術品を愛する大きな喜びの一つです。
古美術永澤では、このような歴史的価値のある古美術品の査定・買取を積極的に行っております。今回、買取させていただいた古硯のように、価値がわかりにくい古い道具や、ご自宅で眠っている品物がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が、その品物の持つ物語や真価を丁寧に評価し、適正な価格で買い取らせていただきます。
お客様の大切な品物を、次の時代へと繋ぐお手伝いをさせていただければ幸いです。
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