
八稜硯(はちりょうけん)
先日、お客様から珍しいお品物を買取させていただきました。こちらの八稜硯(はちりょうけん)です。
八稜硯とは、その名の通り、八角形の形をした硯のこと。この独特の形状は、硯の中でも格式が高いとされ、古くから多くの文人墨客に愛されてきました。
今回の八稜硯は、木箱に収められ、丁寧に保管されていました。箱には「歙州龍尾石」(きゅうじゅうりゅうびせき)と書かれています。これは、この硯が中国安徽省歙県産の歙州石(きゅうじゅうせき)で作られていることを示しています。
硯の素材として最も有名なのは、中国のかつての安徽省(あんきしょう、現在:江西省)で産出される歙州石と、広東省で産出される端渓石(たんけいせき)です。これらは「二大名硯」と呼ばれています。
八角形の硯本体に加え、木製の蓋には模様があり、意図的な装飾か、自然な経年変化によるものかは判然としませんが、この硯が長きにわたり大切にされてきた証です。
今回の査定では、八稜硯という形状の希少性、良質な歙州石という素材であることなど、様々な要素を総合的に考慮し、お客様もご納得いただける査定額での買取となりました。
ご自宅に眠っている古い硯や書道具、骨董品はございませんか?
もしかしたら、そのお品物には、ご自身でも気づかなかったような希少価値が秘められているかもしれません。私たちは一つひとつの品物に真摯に向き合い、その背景にある物語や歴史にも敬意を払いながら、適正な価格で買取させていただきます。
もし、買取を検討されているお品物がありましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。誠心誠意、対応させていただきます。
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