
彫刻書鎮
先日、お客様より、見事な龍の彫刻が施された書鎮をお譲りいただきました。古くから書道に用いられてきた道具ですが、このような意匠性の高い作品は、書道愛好家だけでなく、美術品としても評価されています。
この書鎮は、立体的に彫られた龍の姿が印象的です。龍の表情は威厳があり、鱗(うろこ)や爪、ひげの一本一本まで細かく表現されています。墨のような深い色合いもまた、書に通じ趣があります。
書鎮とは、紙が動かないように押さえる重りの役割を果たす文鎮のことです。古代中国で生まれた文房具で、日本では奈良時代に伝来したといわれています。書道が芸術として発展するにつれて、書鎮も単なる道具から、所有者の美意識を映す工芸品へと進化しました。
特に、龍は古来より神聖な存在として崇められ、力強さや繁栄の象徴とされてきました。書道の世界においても、書く者の気迫や生命力を表すモチーフとして好まれ、硯(すずり)や筆など、さまざまな書道具に用いられてきました。本品の龍の彫刻は、まさに書き手の精神を鼓舞するような存在感を放っています。
今回の書鎮のように、書道具を査定する際にはいくつかのポイントがあります。まず、大切なのは作品の作者です。次に、素材と技法です。銅、鉄、木など様々な素材が使われますが、それぞれの素材の持つ特性を活かした精緻な彫刻や装飾が施されているかどうか、また、保存状態も重要にポイントとなります。
書道道具は、書を愛する人々の歴史や文化を物語る貴重な品々です。ご自宅に眠っている書道具があれば、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、その価値をしっかりと見極めさせていただきます。
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