
螺鈿 堆朱 (らでんついしゅ) 桃形硯箱
この度、非常に見事な螺鈿堆朱(らでんついしゅ)の桃形硯箱をお譲りいただきました。
硯箱は、漆芸品の中でも特に技巧を凝らしたものが多く、平安時代以降、その意匠や技法は独自の発展を遂げてきました。
今回の作品は、縁起の良い桃の形が愛らしく、蓋の意匠から内部に至るまで、まさに漆芸の粋を集めた逸品です。蓋表は、精緻な螺鈿(らでん)細工によって壮麗な山水楼閣の情景が表現されています。夜光貝などの真珠層を薄く削り、漆地にはめ込む螺鈿の技法は、見る角度によって玉虫色に輝き、幻想的な美しさを醸し出しています。
桃の形は長寿や吉祥を意味し、このような異形の硯箱は、高い技術と贅を尽くした当時の趣味人の求めに応じて作られたものと考えられます。
私ども古美術永澤では、このような貴重な漆芸品を、次代へ繋ぐ架け橋となるべく、熟練の査定士が丁寧に拝見し、適正な価格にて買取をさせていただいております。ご自宅に眠る古美術品や漆器がございましたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
関連買取実績
-
2025.09.24
-
2025.09.22
-
2025.09.18
-
2025.09.10