
精緻な彫刻を全面に施した「松下高士図 竹彫筆筒」をお譲りいただきました。見応えのある彫刻に、竹工芸ならではの温もりと力強さを感じさせる作品です。
本作は、竹の一節を大胆に用い、自然の局面を活かしながら、山水人物文や漢詩が巧みに彫り込まれています。
胴部には、松の下で二人の高士が書物を手に静かに語らう姿が描かれ、その背後には山がそびえ立つ情景が表現されています。松葉は一本一本細やかに彫り分けられ、人物の表情や衣の文様、岩肌の質感に至るまで極めて丁寧な彫刻が施されています。さらに、彫り込みの深浅に変化を持たせることで豊かな陰影が生まれ、画面全体が奥行きと立体感のある仕上がりとなっています。
また、側面に刻まれた漢詩は、南宋の詩人・蔡節齋による七言絶句「野外」に基づくものです。俗世を離れ、自然の中で生きる安らぎの境地を詠んだもので、画題と見事に調和しています。
竹の肌色は、長年の使用により自然な艶が生まれ、深みのある飴色に変化しており、時代を経た工芸品ならではの趣を感じさせます。
清代後期から民国期にかけて隆盛した文人竹彫の系譜に連なる作品と考えられ、書道具としてのみならず、竹工芸資料としても高い価値を有する逸品と言えるでしょう。
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