
青井戸茶碗
朝鮮王朝時代に製作された青井戸茶碗をお譲りいただきました。
青井戸茶碗は、16~17世紀に朝鮮半島で焼成された井戸茶碗の一種で、日本の茶人たちに古くから珍重されてきました。
この茶碗の最大の特徴は、その独特な釉薬の色合いにあります。青井戸という名称の通り、一般的な井戸茶碗よりもやや青みがかった釉色を呈しており、光の当たり方によって微妙に表情を変える美しさが魅力です。。釉薬は厚めにかけられており、高台付近では薄くなって土見せの部分が現れ、これが日本の侘び寂びの美意識に通じる魅力となっています。
注目すべきはその造形の自然さです。轆轤(ろくろ)目が残り、口縁部の微妙な歪みが手作りの温かみを感じさせます。釉薬の発色も重要なポイントです。青井戸特有の青みがかった釉色が全体に均一にかかり、貫入(釉薬のひび)が適度に入っています。
この茶碗は、使用感はあるものの大きな欠けやひびもなく、良好な保存状態を保っています。青井戸茶碗の市場価値は、出来栄え、保存状態、来歴などによって大きく左右されます。希少性と美術的価値から相応の評価をいただきました。
朝鮮の青井戸茶碗は、16世紀の文禄・慶長の役(朝鮮出兵)の際に日本に渡来したものが多く、その後の日本茶道文化の発展に大きな影響を与えました。千利休をはじめとする茶人たちがこれらの茶碗を高く評価し、侘茶の美意識形成に重要な役割を果たしたのです。
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