
宮川香山(みやがわこうざん) 白磁三猿
この度、明治期を代表する陶芸家・宮川香山(みやがわこうざん、1942年〜1916年)作の白磁三猿置物をお譲りいただきました。「見ざる言わざる聞かざる」で知られる三猿のモチーフを、香山独特の優美な白磁で表現した逸品です。
宮川香山は横浜を拠点に活動した明治期最高峰の陶芸家の一人です。「真葛(まくず)」は宮川が創設した窯の名前でもあります。万国博覧会での受賞を重ね、国際的にも高く評価された作家で、特に精緻な白磁作品と革新的な技法で知られています。
香山の作品は大きく二つの時期に分けられます。初期は「高浮彫」と呼ばれる立体的な装飾技法を駆使した華麗な作風、後期は簡潔で洗練された白磁作品を中心とした作風へと変化しました。今回の三猿は後期の白磁作品の特徴を備えており、シンプルながらも品格のある仕上がりとなっています。
この三猿置物の最大の魅力は、なんといってもその温かみのある表情と精巧な造形です。それぞれ異なるポーズを取る三匹の猿は、見る角度によって様々な表情を見せ、思わず微笑んでしまう愛らしさがあります。
白磁の美しい発色と滑らかな質感は、香山の卓越した技術力を物語っています。細部まで丁寧に作り込まれた手や足の表現、自然な体のラインなど、量産品では決して表現できない手作りの温もりが感じられます。
また、底部には銘が刻まれています。この銘の書体や彫りの深さも、真贋判定の重要なポイントとなります。
宮川香山の作品は現在も非常に人気が高く、特に保存状態の良い白磁作品は安定した需要があります。今回の三猿は欠けや直しもなく、良好なコンディションを保っていたため、市場価格をもとにした適正な査定とさせていただきました。
香山作品の買取価格は、作品の時代、技法、保存状態、共箱の有無などによって大きく変動します。宮川香山の買取をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。専門の査定士が丁寧に拝見いたします。古美術永澤では長年の経験と専門知識に基づき、一点一点丁寧に査定いたします。
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