
城山窯(じょうざんよう)の香合(こうごう)
先日、弊社に大変貴重な大磯城山窯(じょうざんよう)の香合(こうごう)をお譲りいただきました。精緻な筆致で描かれた意匠と、城山窯ならではの温かみのある風合いが一体となった逸品です。
城山窯は、明治時代後期に財閥三井家の別邸が神奈川県大磯の城山に築かれた際、その敷地内に設けられた窯です。三井家は、茶の湯を深く嗜む家風であり、自邸で用いる質の高い茶陶を求めて、独自の作陶を行ないました。
城山窯で焼かれた陶磁器は、三井家ならではの審美眼が反映された、個性的で高い芸術性を誇ります。現存する作品は非常に少なく、市場に出回る機会も極めて限られていることから、希少性の高い品物としても知られています。その多くは、三井家の関係者や、ごく一部の愛陶家によって大切にされてきました。
今回お譲りいただいた香合は、茶席において香を焚く際に用いる小さな器ですが、その一つ一つに職人の息吹と美意識が凝縮されています。画像でもご覧いただけますように、表面には岩山と波、そして松が描かれており、力強い自然の景観が表現されています。特に、松の緑の濃淡や波の表現の細やかさ、そして岩肌の質感に至るまで、筆致の確かさが際立っています。裏面には「城山」の銘が確認できます。
近年、日本の古美術品、特に陶磁器は国内外で再評価の動きが活発です。その中でも、大磯城山窯の作品は、その歴史的背景、一流の職人による卓越した技術、そして極めて少ない現存数から、特に注目を集めています。洗練されたデザインは現代の空間にも馴染みやすく、美術品としてだけでなく、コレクションとしても高い人気を誇ります。
今回お譲りいただいた香合も、その希少性と美術的価値を評価し、お客様にご納得いただける価格で買取させていただきました。
もしご自宅に眠っている大磯城山窯の作品や、その他、価値が分からない古美術品がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤にご相談ください。専門の査定士が一点一点丁寧に拝見し、その真価を見極め、お客様にご納得いただける適正価格をご提示させていただきます。
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