
ドイツ・マイセン製の磁器花瓶です。マイセンはヨーロッパで最も古い硬質磁器窯として知られ、十八世紀以来、双剣マークを象徴として高い評価を受け続けています。本作もその伝統を体現した優雅な花器であり、マイセン磁器ならではの洗練を感じさせます。
花瓶の胴部には大輪のピンクの薔薇が手描きで描かれています。瑞々しい葉や蕾とともに写実的に表現され、柔らかな色調が白磁の清らかさを一層引き立てています。マイセンの薔薇文様は「マイセンローズ」と呼ばれ、古くから愛好家に親しまれてきた定番の意匠で、品格と華やかさを兼ね備えた装飾として広く認知されています。
本作は落ち着いた白磁に金彩が映え、格式ある佇まいです。薔薇文様との調和も美しく、装飾花器としても実用花器としても十分な存在感を備えています。
保存状態は良好で、絵付けの彩りや金彩の輝きが損なわれておらず、専用の化粧箱も付属しておりましたので、高く評価させていただきました。
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