
九谷焼の小椀
この度、お客様より、貴重な九谷焼の小椀をお譲りいただきました。深い緑色を基調とした絵付けが施された、誠に美しいお品物です。
九谷焼は、石川県で生産される日本の伝統的な陶磁器です。その歴史は江戸時代前期に遡り、加賀藩の庇護のもとで発展しました。特に色絵の技法に優れ、「九谷五彩」と呼ばれる、緑、黄、赤、紫、紺青の五色を巧みに使った華やかな絵付けが大きな特徴です。お譲りいただいたお品物も、まさに九谷焼の魅力が凝縮された逸品と言えるでしょう。
このお品の絵付けは、中央に実をつけた植物が大胆に描かれ、その周囲を格子や網目、幾何学文様で埋め尽くすように構成されています。注目すべきは、葉や実に施された、微妙な色の濃淡や筆致です。緑、茶、黄土色といった色が、見る角度によって様々な表情を見せてくれます。
また、器の大部分を緑色で覆うことで、静謐でありながらも力強い存在感を放っています。
今回は、状態が良好で、欠けやヒビ、目立った汚れなども見受けられませんでした。大切に保管されていたことがうかがえます。
私ども古美術永澤では、九谷焼をはじめとする日本の古陶磁器の査定・買取に力を入れております。ご自宅に眠る美術品や骨董品がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。一点一点、丁寧に拝見し、適正な価格で査定させていただきます。
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