
田村耕一作の青磁花入
今回、買取させていただいたのは、陶芸家・田村耕一の「青磁花入」です。田村耕一は、人間国宝に認定された偉大な陶芸家であり、その作品は多くの愛好家から高く評価されています。
田村耕一は1918年、栃木県佐野市に生まれました。東京美術学校(現・東京藝術大学)卒業後、兵役を経て、富本憲吉に師事し、陶磁器の研究を行いながら、陶器に酸化鉄を付けて文様表現する鉄絵の技法を開発しました。
今回の「青磁花入」も、技術と美意識が凝縮された逸品です。釉薬には細かな貫入(かんにゅう)がびっしりと入り、味わいのある質感を醸し出しています。この貫入は、焼成時の温度差によってできるもので、自然の力と人の技が融合して生まれる芸術です。淡いグレーの色合いは、派手さはないものの、静謐な美しさがあります。
すらりと伸びた首から、胴にかけて優雅に膨らむ造形も秀逸です。ロクロによって一点ずつ丁寧に成形されたことがうかがえ、その柔らかな曲線は、花を生けた時に自然と花を引き立てるように計算されています。
私ども古美術永澤では、このような人間国宝の作品や、著名な作家の陶芸品を高く評価し、適正な査定をいたしております。
もしご自宅に眠っている骨董品や美術品がございましたら、ぜひ一度私ども、古美術永澤にご相談ください。お客様の大切な思い出と共に、次の持ち主へと橋渡しするお手伝いをさせていただきます。
関連買取実績
-
2025.09.10
-
2025.09.09
-
板谷波山による辰砂釉の花瓶をお取り扱いいたしました。深い赤紫色の発色が特徴的で、釉薬の濃淡による自然な揺らぎが全体に広がり、艶やかで力強い存在感を放っています。 板谷波山(1872–1963)は...
2025.09.09
-
2025.09.09