
大倉陶園 金蝕(きんしょく)花瓶
先日、お客様より大変貴重な大倉陶園の金蝕花瓶を買取させていただきました。
そのお品物は、「月見うさぎ」の意匠が施された、存在感のある花瓶です。
美しい白磁に、コバルトの呉須で描かれた雲と、金で彩られた満月。そして、その満月の下に、愛らしいうさぎが描かれています。うさぎは月見団子をお供えしているようです。
この花瓶の最大の魅力は、やはりその「金」の使い方にあります。ただ単に金色に彩色されているのではなく、満月の部分に「金蝕(きんしょく)」という技法が用いられているのが特徴です。金蝕とは、本焼した白生地にマスキングされた絵模様を貼り付け、細かい砂を噴射して生地の表面を削り、金彩を施す絵柄を浮き彫りにしてから金を施す高度な技法です。
金の満月の中には、うさぎが跳んでいる文様が浮かび上がります。この意匠が、作品全体に上品で格調高い雰囲気を与えています。
そして、もう一つ特筆すべきは、大倉陶園の代名詞とも言える「セーブルのブルー」と称される独特のコバルトブルーです。
この花瓶でも、雲の文様や口縁、高台部分にあしらわれた文様が、深みのある美しいコバルトブルーで描かれています。白磁とのコントラストが美しく、まさに日本の洋食器の最高峰と呼ぶにふさわしい仕上がりです。
「月見うさぎ」は、干支や吉祥のモチーフとして人気があり、月と組み合わせたこの構図は、おめでたい席にもふさわしい縁起の良いデザインです。金蝕という特別な技法が用いられている点も、魅力的な作品です。
大倉陶園の作品は、その品質の高さと芸術性から、現在も国内外で人気があります。ご自宅に眠っている大倉陶園の食器や花瓶がございましたら、ぜひ一度、古美術永澤の無料査定をご利用ください。陶磁器に精通した査定士が、一点一点丁寧に査定させていただきます。
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