
デルフト焼の蓋付き花瓶
先日、お客様よりオランダの伝統的な陶磁器であるデルフト焼の美しい蓋付き花瓶を買取させていただきました。
デルフト焼は17世紀にオランダのデルフト地方で生まれた錫釉陶器で、中国の青花磁器に影響を受けながらも、独自のヨーロッパ的な美意識を取り入れて発展した陶磁器です。
デルフト焼の歴史は、東インド会社を通じてヨーロッパにもたらされた中国磁器への憧れから始まります。当時のヨーロッパでは中国磁器は高価で、一般の人々には手の届かない贅沢品でした。そこでオランダの陶工たちは、地元の粘土を使用して中国磁器に似た白地に青の装飾を施した陶器の製作を開始しました。17世紀後半には黄金期を迎え、ロイヤル・デルフトをはじめとする多くの窯元が設立され、ヨーロッパ全土に輸出されるまでになりました。
今回の花瓶は、デルフト焼の特徴である白地に鮮やかなコバルトブルーで描かれた花卉文様が見事に表現されています。中央に配された花籠のモチーフは、バロック様式からロココ様式への移行期の美意識を反映しています。蓋部分には立体的な装飾が施され、全体として優雅で洗練された印象を与える作品です。
デルフト焼の査定では、まず真贋の見極めです。底面や高台部分の釉薬の状態、胎土の質感、そして絵付けの筆致などを拝見します。また、時代による様式の変化も査定の重要な要素で、17世紀の初期作品と18世紀以降の作品では、絵付けの技法や図柄に違いが見られます。
保存状態も査定のポイントです。カケ、金継ぎの有無などを慎重に確認します。
古美術永澤では、経験を積んだ査定士が、お客様の大切な陶磁器を丁寧に査定させていただきます。デルフト焼をはじめとするヨーロッパ陶磁器の買取をお考えの際は、ぜひ古美術永澤までお気軽にご相談ください。
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