
柿右衛門様式の色絵壺
先日、柿右衛門様式の見事な色絵壺をお譲りいただきました。
柿右衛門様式とは、江戸時代に有田で確立された色絵磁器の様式の一つです。初代酒井田柿右衛門が完成させたとされるこの様式は、乳白色の素地に、赤・緑・黄・青を基調にした鮮やかな上絵の具で絵付けが施されているのが特徴です。特に、その透明感のある温かい乳白色の生地は「濁手(にごしで)」と呼ばれ、格調高い美術品として評価されてきました。器面全体に絵柄を描くのではなく、余白を活かした「余白の美」も柿右衛門様式ならではの魅力です。この余白によって、描かれた文様がいっそう際立ち、洗練された印象を与えます。
今回の壺も、まさにその特徴をよく表しています。胴部分に描かれた梅花の絵柄は、余白を大胆に活かしており、可憐な花々がいきいきと描かれています。また、口縁や一部に精緻な文様が添えられており、見事な職人技が光ります。
柿右衛門様式は、有田の磁器がヨーロッパへ輸出される際に大きな影響を与えました。その優美な色彩や構図は、ドイツのマイセン窯をはじめとするヨーロッパの磁器窯に多大な影響を与え、「IMARI」の名とともに広く知られるようになったのです。日本国内だけでなく、海外の王侯貴族をも魅了したその歴史と背景も、柿右衛門様式の価値を形成する重要な要素と言えるでしょう。
このような美術品を査定する際には、いくつかのポイントがあります。まず、最も重視されるのは作品の状態です。次に、作者や年代です。そして、作品の希少性も重要な要素です。同じ様式でも、現存数が少ない作品や、特別な作例は高評価につながることがあります。
古美術永澤では、今回のような古伊万里をはじめ、さまざまな陶磁器の査定を承っております。もしご自宅に眠っている骨董品や美術品がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な査定士が、お客様の大切なお品物を丁寧に拝見し、その価値を正しく評価させていただきます。
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