
小川甚八 笠間焼 急須
この度、お客様より、笠間焼を代表する陶芸家、小川甚八による急須を買取させていただきました。黒褐色の落ち着いた釉調に、丸みを帯びた愛らしいフォルムが特徴的な作品です。
共箱の蓋には作家自身による簡潔な線描画と、特徴的な「〇八」の落款が施されており、小川甚八らしい洒脱な感性が窺える逸品となっています。
小川甚八は、戦後の笠間焼が民芸陶器として注目され、多くの作家が移り住む中で、笠間焼の礎を築いた作家の一人です。伝統と革新の調和を体現する存在として、後進の陶芸家たちにも大きな影響を与えました。特に急須や茶器類の制作に定評があり、使い勝手の良さと造形美を兼ね備えた作品を数多く生み出してきました。この急須も横手の形状が手に馴染みやすく、注ぎ口の造形も計算されており、実用性への配慮が感じられます。表面の質感は鉄釉系の落ち着いた色合いで、使い込むほどに味わいが増していく笠間焼ならではの魅力を備えています。
笠間焼は江戸時代中期に始まった茨城県笠間市周辺で作られる陶器で、関東地方を代表する焼き物として長い歴史を持ちます。元来は甕(かめ)や擂鉢(すりばち)などの日用雑器が中心でしたが、昭和以降は多くの陶芸家たちが笠間に移住し、個性豊かな作品が生まれる土地として発展しました。小川甚八もそうした笠間焼の新時代を築いた作家の一人であり、伝統と革新の調和を体現する存在といえるでしょう。
古美術永澤では笠間焼をはじめとする現代陶芸作品の買取に力を入れております。経験豊富な査定士が丁寧に拝見いたしますので、ご自宅に眠っている陶磁器がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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