小山路窯 江口勝美 和紙染 刳抜陶筥 (くりぬき とうばこ)

佐賀県武雄市にある小山路窯（おやまじがま）の作家、江口勝美（えぐちかつみ）による「和紙染 刳抜陶筥（くりぬきとうばこ）」をお譲りいただきました。精緻な意匠と確かな技術が融合した、見事な角型の陶器の箱です。

深く落ち着いた藍と白のコントラストが美しい文様は、江口勝美の代表的な技法である「和紙染（わしぞめ）」によるものです。和紙染とは、切り抜いた和紙を素焼きの器に貼り付け、その上から染料を筆で叩き込むようにして色をのせる、非常に手間と熟練を要する装飾技法です。和紙の持つ自然な滲みや、筆致の濃淡が独特の温かみと立体感を生み出しています。

そして、この陶筥のもう一つの特徴は「刳抜（くりぬき）」という成形技法にあります。これは、土の塊から内部を削り出して箱の形に仕上げる技法で、ロクロ成形とは異なる、力強く端正な造形が可能となります。江口勝美はこの難しい刳抜成形と、繊細な和紙染めの技術を融合させ、新たな可能性を切り拓いてきました。

古美術永澤では、現代作家の優れた陶磁器についても、経験豊富な査定士が適正に査定・買取いたしております。買取をお考えの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

陶磁器の買取はこちら >