
篠田義一(しのだ ぎいち)による染付香炉
長野県出身の偉大な陶芸家、篠田義一(しのだ ぎいち、1924-2010年)の染付香炉を買取させていただきました。
このお品は丸みのある胴体に、力強い筆致で描かれた山や雲のような文様が、鮮やかな藍色で表現された見事な作品です。蓋には三角形の透かし彫りが施され、香炉としての機能美と意匠が見事に融合しています。
篠田義一は1942年から人間国宝の近藤悠三に師事し、陶芸の道を究めました。郷里の松本市浅間に窯を築き、日展や日本伝統工芸展で数々の賞を受賞しました。彼の代名詞とも言える山岳文の作品は、北アルプスの雄大な景色をモチーフとし、故郷への深い愛着と造形的な美しさを昇華させたものです。
金彩の研究でも知られていますが、このように青と白の世界で表現された染付の作品にも、確かな技量と詩情が息づいています。この香炉の持つ清々しい染付の青は、日本の伝統的な美意識である「侘び寂び」の精神にも通じる静謐な趣きを感じさせます。
古美術永澤では、著名作家の作品の価値を正しく見極め、次の愛好家へと繋ぐお手伝いをさせていただきます。ご自宅にご不要になった古美術品がございましたら、古美術永澤へお気軽にご相談ください。
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